軍艦防波堤
風力発電機が並ぶ響灘地区の外れにひっそりと歴戦の勇士が眠っています。
響灘がまだ埋め立てられていない戦後間もないころ、この辺りは響灘の荒波が打ち寄せる湾口部だったようで、防波堤として3隻の駆逐艦が沈められました。この写真は、そのうちの1艦の駆逐艦「柳」です。

「柳」は、1917(大正6)年に佐世保工廠で進水し、第一次世界大戦の際に帝国海軍で初めて地中海で戦闘を行った歴史的な艦船です。
地中海では、日英同盟に基づいて僚艦7隻とともにマルタ港を母港にドイツの潜水艇と死闘を繰り広げました。

1940年に現役を退いた後、佐世保で係留されていたところを防波堤に流用されたとのことです。
その後、響灘一体が埋め立てられたこともあり、「柳」と同時に沈められた「冬月」と「涼月」は護岸の中に埋没してしまい、現在確認できるものは、この「柳」のみとなっています。
「冬月」、「涼月」は、戦艦大和の沖縄特攻作戦に直衛艦として出撃し、奇跡的に生還した艦船であり、埋没してしまったのが残念です。


★涼月の紹介FLASHを見つけました。
 http://homepage3.nifty.com/tsujiura/suzutsuki.html
 なかなかの名作だと思います。
【2012年9月追記】
軍艦防波堤の歴史を伝えるため、表示板が立ちました。
表示板です。
沈められた三艦の位置を知ることが出来ました。
駆逐艦 柳 の現在の姿です。
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